○月×日　天気：雨

今日は雪乃嬢がご機嫌で帰ってきた。
何かいいことでもあったのだろうか。

聞けば中々良さそうな弓が手に入ったとのこと。
だが詳しい相場がよく判らないのでAliceに尋ねて
みるとのこと。なるほど、彼女に尋ねると大体は
判るか酒場の連中に尋ねるかするだろう。確かに
正しい選択だ。何度かやられはしたが久しぶりに
安定した狩りができたようだった。ひとしきり話した後、
これから料理を作ると３階のキッチンへ上がって
いった。雪乃嬢が料理か……少し不安だが。
と、窓から香ばしい……というか焦げ臭い香りが
漂ってきた。本当に大丈夫だろうか。遠く、管理人を
呼ぶ声が聞こえる。生きて帰れると良いが。管理人が。

案の定倒れた管理人を介抱していると酒場に出かけていた
Aliceが戻ってきた。今日は一部が妙な話をしていたので
あまり会話に参加できなかった模様。まぁならず者の
集まりだし、そういう日もあるだろう。だが弓のことは
どうやら尋ねてきていた模様。曰く「もう少し」の代物らしい。
具体的な金額等は聞けなかったらしいのだが、
これをどう捉えるかは判断が付かないとぼやいていた。
とりあえずは箱などに入れての入札待ちか、ということだ。
こういうときに武器などの相場がわからないと困る……
まぁこの家の財布係はAliceだし、彼女が決めておけば
あまり間違いはないだろう。

と、外から雨粒が森の木々を打つ音が聞こえる。
雨の夜は長い、今宵は早めに眠るとしよう。