○月×日 天気 概ね晴れ こちらの家へ居候させてもらうこと数ヶ月、そろそろ 勝手も判ってきたのでやることも増えてきた。 よって日記を不定期ながらつけることにする。 本日、けたたましい音と共に目が覚める。 どうやら今まで放置をしていた管理人がAliceに 魔法を放たれた模様。管理人は身体のあちこちから 煙を吐いているが命に別状はなし、と思われる。 Alice曰く、「こうでもしないとこの癖は治らない」との こと。ならば仕方がないので放置する。 先述の通り居候をさせてもらってはいるが、流石に ただで住まわせてもらうことはできないので 元々の器用さを活かしてスカウトになろうと思う。 幸い管理人が鉱山でインゴットを精錬するし、 それをAliceが横取りして細工の訓練を名目にlockpickを 大量につくりだすので鍵開けに関しては問題なく 進められるだろう。隠れるのも練習を重ねればいい。 が──問題は弓である。元々非力なのは重々承知して いたが、この前管理人が持っていた弓を貸してもらい 扱おうとしたところ弓を射る為の力がなかったようで、 持ち歩けるものの矢が飛ぶほど引き絞れなかった。 なので基礎的な力がつくまではそれなりに力を必要と する鍵開けを重点的に練習することにする。 Aliceもピックは折角だから使って欲しいと言ってくれたので 好意に甘えて使わせてもらうことにする。 と、管理人が鉱山に出かける模様。あれから数十分、 復活が早い。私も朝食を摂ったら隠れながら付近を 散策しよう。未だに森の中だとどこに何があるかいまいち 判らない……流石にYewの近郊か。辛うじて自宅から ムーンゲートまでの道は覚えたが他はさっぱりだ。 弓を持てるようになったら各地のダンジョンにも行ってみたい ところである。今本棚の前に立ち止まった雪乃嬢に 尋ねたところ、初めはDespiseという場所がいいという。 そこからShameなどに行き、最終的には宝箱でいいものが ある場所を探すといいとのこと。流石ダンジョンに通う だけあり私よりも精通している。これで何故私より一回り 近く年下なのだろう……深く考えないことにする。 人には人のやれることがある。雪乃嬢は敵を狩るのを 得意としているだけだ、と思うことにしよう。 彼女は他に質問がないかを尋ねると本を数冊取り出し 1階のベンダーが居る場所へと降りていった。 私もそろそろ行かねばAliceからまた色々言われそうだ。 日記はこれくらいにしてまた別の日に書くことにしよう。 |