「そこの美人ば金髪の魔術師さんちょっと遊ばない?」 こんな言葉をかけられるのはよくあることだった… 「んーどうしよっかナァ〜僕お金ないんだよねぇ〜」 僕は髪をかきあげつつ声をかけてきた女を眺める。 真っ黒な髪に真っ赤な口紅…そして身に着けている物は高額な物ばかり… 妖艶に微笑むプリースト… 「んーなら…貴方の事を私が買うってどうかしら?」 「別にいいけど…いいの?聖職者がそんなこと言ってさぁ〜」 「そんなこと気にしないのーね?」 その女に手を引かれる… まぁ…別に断る理由も無いし…どうせ相手を探してたんだから良いか… それなりに美人だしねぇ 「OK.OKじゃぁイコウカ?」 僕は作り笑顔で女に微笑みかけ手を引かれるままついていく 裏路地を抜け町一番の高級旅館へとついたのだった… 「全部私がだすから心配しないでねw」 にっこりと笑う女を見て僕も微笑み返しておいた 「んじゃお言葉に甘えさせてもらうヨ…」 こんなこともよくあること…もうなれたこと… 別にお金に困っているわけでもない… ただ…時々夜になると無性に人の温もりが恋しくなるだけなんだ… 「んっーにしても…ホント豪華な旅館だネェ…」 事情後のだるい身体を湯に静めつつ…浴室の中を見渡す 「あー極楽…」 傷だらけの両手を眺めつつ薔薇の花の浮かんだ湯の感触を楽しむ こーゆーのは趣味じゃないけど…まぁ悪くは無いかな… ゆっくりとしていた所何やら浴室の外の気配がただ事ではない… 洗面所にあるバスローブを羽織当たりをうかがうようにベットルームへ 部屋に入ると月明かりに照らされる二つの影 ベットで血まみれになって死んでいる女と青髪のアサシン どこかで…見たことあるナァ… 「輝夜…サン?」 僕の呟いた言葉にびくっと身体を震わしこちら側をみる 月明かりに青い髪が光ってて綺麗だなぁ… 彼女は困惑の色を浮かべつつ僕の顔を見ている あぁ…任務中のアサシンは顔を見られたらその相手を殺さないといけないんだっけ? なんかそーゆーことを黒楊が言ってたなぁ… 「なっ…なんでここにいるの!?」 「んとねぇ一晩お相手だヨー」 さらに困惑の色を強くする彼女…面白いなぁ…… さて…どうしようかなぁ? どう考えても僕のほうが色々不利だからねぇ 「輝夜サン・・・僕のこと殺さなくていいの?」 僕の言う台詞に彼女は戸惑いを隠せない・・・ ゆっくりと彼女に歩み寄りつつ 頬に手をあて微笑み、ていつもより低めの声で 「カグヤサン?」 「!」 彼女は顔を真っ赤にして一瞬目を見開く そして気がつけば僕はベットに押し倒され喉の近くに短剣があった 僕を見つめる透き通った瞳が凄く印象的で不思議な感じがした・・・ 今から僕は殺されるのだろうか?死ぬことができるのだろうか? かすかに震えている彼女の手・・・ あぁ・・・この子は優しいんだろうね・・・ 「なっ何笑ってるの!!」 「いや・・・なんでもないヨ」 僕がここから逃げれば・・・彼女は僕のこと追わなきゃいけないんだろうな・・・ 「それは面白そうだなぁ・・・」 「えっ・・・?」 とびきりの笑顔を彼女に向ける 「ごめんネー僕は紫柚の物だからかってに死ねないんだ〜」 再び困惑の表情を浮かべる 「じゃぁまた会おうネ」 緊急用にと紫柚から渡されていた蝶の羽を握りつぶし 僕は彼女の前から消える。 最後にみた彼女は月明かりが当たって綺麗だったなぁ・・・ ついた場所には紫柚がたっていた・・・ 「また貴方は何かしでかしたんですか・・・」 「いやいや何もしてないヨ?」 「・・・珍しく楽しそうですね・・・」 「そうカナ?」 クスクスと笑いつつ空を見上げる さぁ・・・僕に会いにおいで・・・ カグヤ姫